日大通信 2019年〜2022年度 美術史 分冊2 合格レポート
当レポートは2019年に合格したものです。
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美術史 分冊2
鎌倉時代の彫刻について、運慶、快慶など慶派の仏師の作例をあげて述べなさい。
〈ポイント〉
鎌倉時代になると、平安時代後期の仏像とは全く異なる新しい様式の仏像が慶派の仏師によって制作された。慶派の中でも、運慶と快慶ではそれぞれに違いがあるので、作例をあげ特徴を捉えながら述べること。
〈キーワード〉
慶派、運慶、快慶
治承四年(一一八一年)の南都焼き討後によって東大寺・興福寺など仏教寺院等が多く消失した。その後、平清盛の政権を継承した平宗盛によってそれらの復興を認め、後白河法皇は俊乗坊重源を召して大勧進職に任命し、再建に取り掛かった。この南都焼き討後が今までの平安時代からの仏教彫刻が鎌倉時代の彫刻の発展の契機となったといえる。いわゆる慶派仏師の出現は康慶を祖として、その子運慶、弟子の快慶、運慶の子湛慶によって引き継がれた。時代も平安貴族から武家政権へと権力が変わる時期と同様に平安彫刻から鎌倉彫刻へと変化したのである。運慶の生年は明確ではないが、その子湛慶が承安二年(一二二三年)に生まれており、没年貞年二年(一二二三年)であることから十二世紀前半頃に生まれたと考えら...