佛教大学:M5103京都と文学(古典)の第1設題リポートです。
2020年2月提出で2月末に受理されました。
科目コードが違っても同一設題ならば対応可能です。
フィードバックでは「作者である鴨長明の経歴をおさえられている。『方丈記』の文学史的位置付けを意識できている。『方丈記』に通底する「無常観」をおさえられている。」と評価されました。文章の構成など参考にしていただければと思います。
できるだけわかりやすい表現での記述を心がけました。どうぞご参考ください。
〇第1説題:『方丈記』は、「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖と、またかくのごとし。」で始まる。
レポートでは、まず著者である鴨長明という人物や『方丈記』についてまとめよ。
その上で、この「世にある、人と栖と、またかくのごとし」という言葉をキーワードとして、京の「人」や「栖」(建物)を、鴨長明が『方丈記』の中で、どのように捉えているかを考察せよ。その際、鴨長明自身の「方丈」での生活の描写なども参考にする事。
<参考文献>『新国語総合ガイド 三訂版』井筒雅風・樺島忠夫・中西進共著 京都書房
『シグマベスト 原色シグマ新国語便覧』国語教育プロジェクト編著 文英堂
『方丈記に人と栖の無常を読む』大隅和雄著 吉川弘文館
『角川ソフィア文庫「方丈記 現代語訳付き」』鴨長明著・簗瀬一雄訳注 角川学芸出版
M5103 京都と文学(古典)
『方丈記』は、「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖と、またかくのごとし。」で始まる。
レポートでは、まず著者である鴨長明という人物や『方丈記』についてまとめよ。
その上で、この「世にある、人と栖と、またかくのごとし」という言葉をキーワードとして、京の「人」や「栖」(建物)を、鴨長明が『方丈記』の中で、どのように捉えているかを考察せよ。その際、鴨長明自身の「方丈」での生活の描写なども参考にする事。
1. 著者 鴨長明について
鴨長明は、京都の下鴨神社の神官、鴨長継の次男として生まれた。父長継が死去した後、神官の職を継ぐ望みも次第に薄れ、歌道や管弦の芸道修行に精進し、和歌を俊恵に、琵琶を中原有安に学んだ。30代で初めて『千載集』に入集し、勅撰歌人の栄誉を受けた。その後、多くの歌合に出詠し、専門歌人として活躍した。後鳥羽院の恩顧で和歌所の寄人となった。地下人として選ばれたのは、長明と藤原秀能の2人だけであった。強く望んでいた河合社の禰宜の官を同族の...