佛教大学:M5109日本文学史の第2設題のリポートです。
2019年10月提出で10月末に受理されました。
科目コードが違っても同一設題ならば対応可能です。
フィードバックでは「テキストのポイントをよく押さえており、リポートにもその点がきちんと反映され、読みやすくまとめられたリポートになっている。」と評価されました。文章の構成など参考にしていただければと思います。
できるだけわかりやすい表現での記述を心がけました。どうぞご参考ください。
〇第2説題:明治、大正、昭和の文学の特質を、それぞれの時代の特性をふまえつつ、下記の各文学思潮を例にして具体的に説明せよ。〈写実主義・擬古典主義・浪漫主義・自然主義・余裕派(高踏派)・耽美派・白樺派・新思潮派・プロレタリア文学・新感覚派〉
<テキスト>「原色シグマ新国語便覧 ビジュアル資料〔増補3訂版〕」 国語教育プロジェクト編著 文英堂 2007年
〈明治時代~大正時代前期〉写実主義、擬古典主義、浪漫主義、自然主義、余裕派、耽美派、白樺派
明治維新以後、いわゆる「近代文学」が誕生する以前の文学としては、江戸時代以来の伝統にたつ戯作(近世後期の読本・洒落本・滑稽本・人情本・黄表紙・合巻などの小説類)のながれと、自由民権運動の中から生まれてきた政治小説とがある。戯作には仮名垣魯文と成島柳北とがおり、魯文は滑稽本の代表作『東海道中膝栗毛』を模した『西洋道中膝栗毛』や、新風俗の牛鍋屋を舞台とした『安愚楽鍋』で開花の世相を戯作化した。一方柳北は、旧幕臣の立場から新文化を風刺する『柳橋進誌』を漢文でしるした。政治小説とは、自由民権運動の宣伝・普及のために書かれる小説で、初期には政治主張を戯作的に書いたものや、翻訳も多かったが、やがて小説としての魅力を備えた創作を生み出すようになった。
明治10年代には西欧文学の自覚的な翻訳も始まり、人気を呼ぶ翻訳小説も生まれるようになった。このころまでを啓蒙文学と呼ぶこともある。文化的知識や情報のすくない民族に知識をあたえ、教え導こうとする文学が啓蒙文学であり、啓蒙思想として広く考える場合、『学問のススメ...