佛教大学:Z5101教育原論の第1設題のリポートです。
2019年5月提出で5月29日に受理されました。
科目コードが違っても同一設題ならば対応可能です。
フィードバックでは、『「魂への配慮」「無知の知」「真の知」「対話」といったソクラテスの教育観の4つの柱を的確にまとめられています。その上で,教育とは,教師の役割とはを考察することができています。その結論として、ソクラテスの考えが示すものとして今日求められる「主体的・対話的で深い学び」に繋がっていることがよく理解できます。』と評価をいただきましたので、文章の構成など参考にしていただければと思います。
参考文献はテキストのみで、できるだけわかりやすい表現での記述を心がけました。どうぞご参考ください。
〇第一説題:ソクラテスの教育観に注意して彼の教育学的意義について述べよ。
<テキスト>「教育学の基礎」田中 圭治郎 編著 佛教大学
〇第一説題:ソクラテスの教育観に注意して彼の教育学的意義について述べよ。
ソクラテスの教育学的意義について考える上で、まず彼がどのような人物であったかを簡単に振り返る。彼は古代ギリシャの哲学者であり、若いころは自然研究の分野に精通しており、ペロポネソス戦争にも従軍したといわれている。40歳頃から自然研究を辞めた後、人間の探求に情熱を傾け、街頭で青年を相手に道徳や倫理に関して討論を行い、当時の政治・道徳を批判する活動を行った。プラトンらの多くの青年が次第に彼の元に集まるようになったが、国家の信奉する神々を否定して青年たちに悪い影響を及ぼすとして告発され、結果的に死刑判決を受けた。逃亡することを周囲から勧められたが、彼は法に背くことより、法に従い、死刑を受け入れた。このような人物であったソクラテスの教育観を考える際に、「魂への配慮」「無知の知」「真の知」「対話」の4つのキーワードが必要となってくる。以下これらについてそれぞれ考察していきたい。
「魂への配慮」
当時のアテナイの街では、青年たちに知識や弁論術を教えていたソフィストと呼ばれる職業的教師が活躍していた。彼らソフィストたちはあ...