2021年度 民事訴訟法第2課題

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    資料紹介

    評価Cです
     X は、Y に対して、500 万円の貸金の返還を求める訴訟を提起した。第1 回口頭弁論期日において、
    X が「Y に平成26 年7 月1 日に500 万円を貸し付けた」と主張したところ、Y は「①それについては
    認めるが、②すでに平成26 年12 月1 日に全額弁済した」と陳述した。これに対し、X は「③弁済の
    事実については争う」と述べた。
     第1 審は、Y の弁済の主張を排斥して、X の請求を認容した。この判決に対し、Y は控訴し、控訴審
    においても弁済の事実を主張していたが、控訴審の口頭弁論終結直前になって、「X に対して有する代
    金債権でX の主張する貸金債権と相殺する」との抗弁を提出した。
    (1) 第1 審の第1 回口頭弁論期日において、Y が行った「①それについては認める」との陳述は、訴訟上、
    どのような効果を生じるか。その趣旨についても説明しなさい。
    (2) XY 間で争いのある弁済の事実について、裁判所がその存否について確信を持てない場合、裁判所
    はどのように弁済の問題を処理するか、説明しなさい。
    (3)控訴審裁判所は、Y が提出した相殺の抗弁をどのように扱うべきか、論じなさい。

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    (1)当該Yの陳述は裁判上の自白に該当する。自白の要件は、まず口頭弁論または弁論準備手続における弁論としての陳述であること(民訴67条1項1号)、次に相手方の主張と一致していること、そして自己に不利益な事実についての陳述であること、である。当該Yの陳述はこれらの要件を満たしており、「平成26年7月1日にXがYに500万円を貸し付けた」という内容の自白と判断される。
    自白は不要証事実なので(179条)、裁判所は自白された事実について証拠の調査はできず、その事実を判断の基礎としなくてはならないという「審判排除効」が生じる。審判排除効の根拠は弁論主義からきており、弁論主義には事実判断の基礎となる事実・証拠については当事者が責任を負うことにより裁判所の労力を減らし、迅速な紛争解決を図る趣旨がある。また、弁論主義の根拠には私的自治の考え方があるので、当事者意思や私的処分の自由を尊重するという観点から、弁論主義には当事者が争わない事実は証明を要せずそのまま前提としてよいという趣旨もある。
    Yには、自白した事実を自由に撤回できなくなるという「撤回不可避効」が生ずる。相手方Xにしてみれば、自白がなされ...

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