【海商法】中央大学法学部 通信課程
2017年度 第2課題 合格レポート
<問題>
積荷に損害が生じた場合に、船荷証券の所持人で積荷の所有者であるXに対して、海上運送人Yが負担する契約責任と不法行為責任の関係について論じなさい。(2,000字程度)
※アドバイスコメントを欄外に記入しました。参考になると思います。
【海商法】 合格レポート
<問題>
積荷に損害が生じた場合に、船荷証券の所持人で積荷の所有者であるXに対して、海上運送人Yが負担する契約責任と不法行為責任の関係について論じなさい。(2,000字程度)
1.運送人が負う責任
運送人は、船積港で運送品を受け取ってから、これを目的港で引き渡すまで、運送契約の本旨に従って善良なる管理者の注意をもって運送品を保管、運送すべき基本的な義務を負っている。この義務に反した場合の、運送人の債務不履行にもとづく損害賠償責任(契約責任)の原則は国際海上物品運送法の条文に明らかになっている。
国際海上物品運送法3条1項:運送人は、自己又はその使用する者が運送品の受取、船積、積付、運送、保管、荷揚及び引渡につき注意を怠ったことにより生じた運送品の滅失、損傷又は延着について、損害賠償の責を負う。
一方、運送人が自己または使用人の過失によって積荷に損害を与えた場合には、積荷(運送品)の所有権侵害などとして、民法が定める不法行為の要件を満たすことがある(民法709条(不法行為による損害賠償)、715条(使用者等の責任))。つまり、契約責任と不法行為責任との競合...