2021年度合格レポートです
産業保健について概説し、さらに作業関連疾患や職業病について説明しなさい。
日本においては、第二次大戦前まで稲作による農業を中心とした第一次産業が労働者の過半数を超えていた。その後、戦後の経済成長で工業化が進み第二次産業と第三次産業を合わせた割合が7割近くにまで急増した。昭和後期から平成にかけて、第三次産業は急成長し平成27年の調査では全体の7割を超えた。
第三次産業の増加により、労働形態は大きく変化した。重労働や肉体労働が減少し、静的労働や単調・反復作業などの精神的負担の大きい作業が増加した。また、サービス内容の多様性や経済活動の国際化に伴い24時間体制の業種や夜間・深夜勤務する労働者が増加した。そして、日本における人口構成が高齢化していることから労働者も高齢化している。このような、仕事内容の多様化や働き方の変化に伴い産業保健の重要性が広がった。
1950年にILO/WHO(国際労働期間/世界保健機関)の合同委員会は「産業保健は、すべての職業における労働者の身体的精神的及び社会的幸福度を最高レベルに促進及び維持することを目指すべき。」と定義した。つまり、産業保健には労働状況によって労...