日本における児童虐待の考察です。
私の卒業論文です。参考になれば幸いです。
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現代の日本における児童虐待
-家族の変化と児童虐待-
はじめに
現代は「家族の絆」を考える上で、問題視される事件、事故が数多い。児童虐待やドメ
スティックバイオレンスなどがメディアを通じて頻繁に報道される。
「家族は愛情に満ちた信頼できるもの」であってほしいと思うのは、誰にとっても当然
の願いである。しかし、現在メディアで発表されるものはその願いを裏切るようなものが
多い。信頼に値する家族が大半なのに対して、そうでない家族も存在している。
「家族の絆」や「家族愛」など憧れを持つ者の中でこうした問題がなぜ生じるのか私は
疑問に感じずにはいられなかった。
卒業論文にあたり、私は児童虐待について考えていきたい。児童相談所が扱う虐待の件
数は、ここ 10 年の間に倍増している。これは現在と昔とでは子育ての考え方や子どもに対
する認識に違いが出ているためと考えられる。そのため、これまで虐待として考えられな
かった親の行動が、そのつもりがなかったが、結果として子どもに害を成すものと定義さ
れているのではないか。
社会との関係がまだまだ希薄な小さな子どもにとって、家庭は社会全体と...