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中国書道史:王羲之の近現代に及ぶ中国書道史への影響を述べなさい。
本リポートでは、王羲之ついての理解を深め、中国の歴史の流れにそって、各時代に活躍した後世の書家たちに王羲之がどのような影響を与えたのかを述べる。特に顔真卿については代表的な作品について述べるとともに、王羲之の行書作品と比較していく。また近現代の政治家の書についても触れていく。
1.王羲之について
王羲之は、東晋の建国に寄与した王敦や王導に見守られ、幼いころから書道を善くし、精進を重ね、能書家としての名声を得る。名門の貴族の出身であるが、中央政府の地位を求めず、中央を離れ会稽内史となる。名勝蘭亭で詩を詠んだ曲水の宴はとくに有名であり『蘭亭序』にその様子は記されている。四年間の在任後辞任し、悠々自適な生活を送ったといわれている。
王羲之は張芝の草書、鍾繇の楷書を学び、道教思想を背景に、楷書・行書・草書の普遍的な様式化に力を入れ、端正で典雅な書風を作り上げた。その貴族的な気品の高さは、書道を芸術の域まで高めた。王羲之の行書では、『蘭亭序』、懐仁が王羲之の書を集めて作った『集字聖教序』、『興福寺断碑』が名高いが、『喪乱帖...