日本または西洋のどちらかを選び、それぞれの時代(古代、中世、近世、近代以降)の図書館発展の特徴をコンパクトに要約し、かつ私見(400字程度のまとめ)を述べてください。
はじめに
まずは日本の図書館の発展について説明し、私見を述べるものとする。
1.古代
日本には漢字が伝わるまで、文章となるような固有の文字はなかった。日本の図書文化および図書館的要素を含んだものの成立は、中国から文字と紙が伝わり、それらを利用したところから始まる。推古19年~23年にかけて聖徳太子が、法華、勝鬘、維摩の経典の注釈書「三経義疏」8巻を編んだものがわが国の図書の始りであるといわれている。図書寮の職掌は蔵書管理のほか、儒教・仏教の経典、仏像なども管理し管理事務を補助するため書物を書写する写書手の装瀇手が配置された。経典の複製は写経によって行われた。奈良時代から平安時代の図書活動はおもに、律令国家を支える法律、仏教を浸透させるための写経や印刷、史書が中心で、図書文化の担い手は、天皇を中心とする貴族階級と僧侶であった。*1 2 3 4
2.中世
鎌倉に幕府を開いた源頼朝は建久3年征夷大将軍となり、貴族から武家...