【設題内容】
クリムとワイルディーヴ
『帰郷』の中心的な登場人物からクリムとワイルディーヴを取り上げて、ふたりの性格分析をしてください。ふたりはともにユーステイシアを愛します。しかし、その愛し方(ユーステイシアのどういう点に、どのように魅せられたか、どのように愛したか=お互いの人間性を高める、性格や生き方が共通したなど)の違いと、ふたりはよい夫になる資格を持っていたかどうか、の2 点を論じてください。
【コメント】
1発合格レポートです!原作を読んで理解するのは結構難解で何度も読みなおしが必要な内容です。こちらも活用してください。
英語文学研究1 第1設題レポート
【はじめに】
この作品の絶対的ヒロインであり、女神的な美しさを持つユーステイシアへの愛に翻弄された2人の青年、クリム・ヨウブライトとワイルディーブは、あらゆる点で正反対の性質を持つ人物である。簡単に言えばクリム・ヨウブライト(以下クリム)は勤勉家で忍耐力がある故に自身の夢を情熱的に追い求める理想主義的な若者であり、ワイルディーブは感情的で快楽主義な性格が故に、金や女などの俗物的なものに価値を見出す現実主義的な若者である。ユーステイシアへの愛以外は異なる2人の性格を更に分析しながら、レポート設題にある2点をテーマにそれぞれ論じたい。
【ユーステイシアの愛し方の違い:クリムの場合】
まず共通する点としては、クリムもワイルディーブもユーステイシアの外面的な美に惹かれ、愛するに至っている。これは本文にも"EUSTAICIA VYE was the raw material of a divinity."と表現されているように、ユーステイシアの美は誰しも抗うことの出来ないギリシア神にも値するものだったことから、活力あふれる若者が本能的に美しいもの...