社会研究の世界
「若者問題」と格差・不平等の結びつき
1.「若者問題」から見えるもの
近年、「ニート」や「フリーター」といった言葉が盛んに登場し、世間を賑わせている。しかし、これらの言葉は今ではほとんどマイナスのイメージしか含んでおらず、若者問題を象徴するようなものになっている。
本レポートでは、まずこの若者問題を考察する。そして、それが起こった背景や格差・不平等との結びつきを検証し、最後に個人的見解を述べたい。
2.「若者問題」とは?
一様に「若者問題」と言っても、問題としては多数あるのが現状である。それらの内容を(全てではないが)捉えてみたい。
■「若者問題」の登場
日本における若者問題は、1990年代から盛んに取り上げられるようになった。これは先進国の中では遅い方であり、バブル崩壊後の時期と重なる。具体的に叫ばれるようになったのは、「晩婚化・未婚化」や「少子化」、さらに「フリーター」、「ニート」といった事柄である。
■晩婚化・未婚化の動き
1980年代後半に、Hanako族と呼ばれる人々の「台頭」が起こった。Hanako族とは『Hanako』(マガジンハウス社)と...