佛教大学通信教育課程の「京都と文学(古典)」の第1設題リポートです。
フィードバックでは鴨長明の経歴をおさえられている。
『方丈記』の文学史的位置付けをおさえられている。
『方丈記』に通底する「無常観」を理解できている。と評価されました。
まず著者である鴨長明という人物の経歴などや『方丈記』の文学史的位置付け(成立やジャンルなど)
をまとめよ。
次に、『方丈記』冒頭の、「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮ぶうた
かたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、人と栖と、またかくのご
とし。」の「世にある、人と栖と、またかくのごとし」という言葉をキーワードとして、京の「人」や「栖」
(建物)を、鴨長明が『方丈記』の中で、どのように捉えているかを、鴨長明自身の「方丈」での生活
の描写などとも関連させて考察せよ。
まず、鴨長明(1155?~1216)は鎌倉時代前期の歌人、随筆家である。父親は賀茂御祖神社の最
高責任者である正禰宜惣官の鴨長継である。鴨長継は 35 歳頃、鴨長明が 17 歳頃に亡くなっている。
母親は不明だが早くに死別したと考えられている。鴨長明は 7 歳の年に従五位下に叙せられ、南大
夫または菊大夫と呼ばれた。琵琶を中原有安に、和歌を俊恵に学ぶ。後鳥羽上皇の和歌所設置に伴
い、寄人に選ばれ、多くの歌会、歌合に参加した。後鳥羽上皇の厚意により、河合神社の禰宜に...