社会科学研究感想レポート:米金融危機と欧州問題

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    資料紹介

    社会科学研究の最終レポート代わりの感想レポートになります。米金融危機と欧州問題について簡潔にコメントしました。

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    資料の原本内容

    社会科学研究感想レポート
     社会科学研究の授業を受けて、特に関心をもったのは、米国金融危機とユーロ問題である。以下、それぞれについて勉強したことを述べる。

     2007年に起きた米国金融は、第二次世界大戦後最大の危機だった。世界中の政府が効果的な手を打って最悪の事態を回避したが、それでも大不況になった。金融当局の弱点のみならず、世界の金融システムの欠陥も明らかになった。危機の教訓を金融政策に生かすべきだが、その本質はなんなのだろうか。金融政策が危機の原因だという者もいる。Federal Reserve(連邦準備制度理事会)の金融緩和によって、住宅バブルを引き起こした。金融政策によって、バブルの予防とコントロールができるはずである。

    金融政策が原因ではないという者もいる金融政策はマクロ経済の条件に合っていた。バブルをコントロールするための道具足りえない。

    バーナンキ(Ben S. Bernanke) の主張によれば、金融政策と住宅バブルは無関係であり、金融監督・金融規制の強化が必要である。金融緩和が住宅バブルを引き起こしたとばかり思っていたため、とても驚いた。

    続いて、ユーロについて勉強したこと、自分で調べたものを述べる。最初に、マクロ経済的インパクトについて考える。

    第一に、産業の域内各国への特化がある。特定の産業がその最適立地を得られる国に集中する。その結果、各国の経済構造は非対称的になる。自動車産業を例にとれば、ドイツやスペインから、より賃金の低い東欧へと生産拠点を移すことになる。

    第二に、非対称化と金融・財政政策への影響がある。産業構造の非対称化は、マンデルの最適通貨圏の理論に反している。さらに、金融政策が取れなくなると同時に、財政赤字の目標をGDPの3%以内に抑える義務の規定があるために、思い切った財政政策がとれないことも問題である。

    続いて、ユーロ導入に賛成する立場と反対する立場のそれぞれの根拠を述べたいと思う。賛成の立場では、為替相場リスクをなくすと同時に、財・サービス・人・資本の自由な移動を可能にした。財・サービスの価格差が裁定取引によって、縮小することで、企業間の競争が活発化した。また、通貨単位の統一によって、商品の比較が容易になった。ユーロという巨大な通貨市場を持つことで、投機に対して強くなった。両替手数料がなくなったことで、企業や旅行者に利益をもたらした。

    反対の立場もある。イギリス、スウェーデン、デンマークといった「優等生」が未導入である。通貨の不確実性が削減されることで、安定した投資計画ができ、雇用が創出されるという理屈がある。しかし、変動相場制のもと急成長した西ドイツや日本といった反例が存在している。国際通貨システムの安定性向上についても、EU経済の安定性を大前提としており、うまくいっていない。複合的通貨主権の強化も、金融政策を否定したことによるデメリットや、適切な変動幅を設定できず、投資集団の攻撃を防げなかった。

    マーストリヒト条約によってEUが誕生して以降、様々な障害を抱えながら、EUは拡大してきた。政治的には成功したのかもしれないが、経済的にはいまだ問題を抱えていると考える。

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