【プレゼンテーション】Monetary Policy and Housing Bubble

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    資料紹介

    社会科学研究で要求されたプレゼンの資料になります。米金融危機(リーマンショック)について、当時のFRB議長のバーナンキ氏の講演をもとにプレゼンしました。

    資料の原本内容

    Monetary Policy and Housing Bubbleby Ben S. Bernanke
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    目次
    金融危機と金融政策
    テイラー・ルール
    住宅バブルと金融政策
    結論
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    1. 金融危機と金融政策
    2007年の金融危機は、第二次世界大戦後最大の危機だった。
    世界中の政府が効果的な手を打って最悪の事態を回避したが、それでも大不況になった。
    金融当局の弱点のみならず、世界の金融システムの欠陥も明らかになった。
    危機の教訓を金融政策に生かすべきだが、その本質はいまだに定かではない。
    金融政策が危機の原因だという者もいる。
    Federal Reserve(連邦準備制度理事会)の金融緩和によって、住宅バブルを引き起こした。
    金融政策によって、バブルの予防とコントロールができるはずである。
    金融政策が原因ではないという者もいる
    金融政策はマクロ経済の条件に合っていた。
    バブルをコントロールするための道具足りえない。
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    1.2 イベントと金融政策の推移
    2001年の3月から11月にかけて、米国は不況だった。
    2001年の9月11日の同時多発テロ、2003年のイラク侵攻、2002年のエンロン・ワールドコムといった企業不正などがあった。
    連邦準備制度理事会は、フェデラル・ファンド金利(政策金利)の操作によって、金融をコントロールしようとしている。
    政策金利とは、銀行同士の貸出金利である。
    2001年には、前年の6.5%から1.75%に、2003年には1%に下落した。
    2004年になって、2006年までに5.25%に上げようとした。
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    1.3 金融政策の要因
    2002年と2003年の積極的な金融政策は、2つの要素に起因する。
    ①2001年の不況から景気回復が弱く、高い失業率が2003年後半まで続いた=金利の引き下げ要素。
    ②デフレの回避。
    デフレに苦しむ日本の経験から、金融緩和を進め、ターゲットをゼロ金利まで下げた。
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    2.1 金融緩和の妥当性
    マクロ経済の状況が、金融緩和政策を進めた。
    必要以上に金融緩和をしていないか?
    テイラー・ルール(Taylor rule)との比較が有用である。
    シンプルなルールだが、制約も多い。
    ガイドラインには成り得るが、金融政策にとって代わるわけではない。
    しかし、2001年の不況からの金融政策を論じるうえで、有用である。
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    2.2 テイラー・ルールとは
    テイラー・ルールでは、連邦公開市場委員会(FMOC: Federal Open Market Committee)のターゲット金利を規定することができる。
    2つの要素がある。
    ①長期のインフレ目標と現在のインフレ率の差
    ②現在のアウトプットと潜在的なアウトプットとの差
    スライド2の方程式から成り立つ。
    インフレ率の差あるいはアウトプットの差が正ならば、政策金利を上げるべきである。
    基本となる金利は、2%である。
    係数a、bは0.5。
    インフレ率は、消費者物価指数(Customer Price Index:CPI)。アウトプットは、GDPを用いる。
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    2.3 金融政策とテイラー・ルール
    スライド3では、実際の政策金利とテイラー・ルールの金利が近いことが分かる。
    2002年から2006年にかけては、金融緩和しすぎであるといえる。
    この妥当性は、テイラー・ルールが適切かどうかに依存する。
    アウトプットの差を測定することは難しい。
    テイラーは、GDPデフレーターを用いた。
    FOMCでは、個人消費支出(Price Index for Personal Consumption Expenditures: PCE)を使った。
    測定尺度の違いによって、結論が異なってくる。
    金融政策はラグがあるため、将来を予測する尺度が適切である。
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    2.4 テイラー・ルールの修正
    電気料金の急騰が一時的なものにすぎないとわかっているならば、金融政策の変更はしなくてよい。
    一方、電気料金が一時的に急騰したとき、現在価値に依存する標準的なテイラー・ルールでは、厳しすぎる金融政策になる。
    標準的なテイラー・ルールでは、一時的なインフレと継続的なインフレを区別できない。
    インフレの現在値ではなく、予測値が有効である。
    金融政策の動きは遅く、意思決定には、予測が含まれるべきである。
    スライド4を見れば、予測値を用いるテイラー・ルールの方が、標準的なテイラー・ルールよりも有効であることが分かる。
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    3.1 住宅バブルと金融緩和政策
    金融緩和政策が、住宅バブルを引き起こしたのではないか?
    米国の住宅価格は、1990年代後半から上がり始めた。
    価格は、1998から1999年にかけて7~8%、2000から2003年にかけて9~11%、2004~2005年にかけて15~17%も上昇した。
    このタイミングを見ると、金融緩和政策の影響を無視できない。
    2つの争点がある。
    ①何が住宅バブルを引き起こしたのか?
    ②米国以外の住宅バブルの国でも、金融緩和をしていたのか?
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    3.2 住宅バブルの分析
    スライド6は、2003年から2008年にかけての政策金利と住宅価格を示している。
    グラフは、実際の金利を示し、斜線部は統計モデルによる予測値を示す。
    左側の政策金利は、理論で説明できる。
    右側の住宅価格は、理論では説明できない動きをしている。
    ゆえに、住宅価格は、金融政策やマクロ環境のせいかわからない。
    住宅ローンの変化が、1980年代、90年代とは金融政策に対する反応が異なるかもしれない。
    2000代、住宅ローンは、政策金利の短期金利から強く影響を受けていた?
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    3.3 不適切な住宅ローン
    スライド7は、数種類の住宅ローンの最初の月に支払う金額を示してる。
    変動金利ローンのタイプによって、支払額がまったく異なっている。
    短期金利よりも、ローンのタイプが重要となった。
    ここに住宅バブルを理解する手掛かりがあるのではないか?
    スライド8は、住宅ローンに占める変動金利住宅ローンを示したものである。
    2005、2006年あたりから急増している。
    このローンが不適切であった。
    保証なしのローンといった実務まであった。
    貸しても借りても、住宅価格はずっと上がり続けると思っていた。
    金融政策よりも規制・監督政策に問題があった。
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    3.4 金融政策と住宅バブルの関係①
    スライド9は、金融政策と不動産バブルの関係の国際的な証拠である。
    縦軸は、住宅価格の変動。横軸はテイラー・ルール。
    テイラー・ルールは、予測モデルではない点に注意。
    「金利(テイラー・ルール)が下がるほど、住宅価格は上がる」が、非常に弱い関係しか示さない。
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    3.5 金融政策と住宅バブルの関係②
    スライド9に近似したスライド10は、資本流入と住宅価格の関係を示したものである。
    縦軸は住宅価格の変動。横軸は資本流入のGDP比率。
    住宅価格の変動の31%を説明できる。
    金融緩和政策は資本流入を減らし、資本流入が減ると住宅価格も下がる。
    これは、「金融緩和をすれば住宅価格があがる」という金融政策と住宅価格の関係とは矛盾している。
    国際的にみても、金融政策と住宅バブルの関係性はないといえる。
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    4. 結論
    金融政策と住宅バブルの関係性は弱い。
    なぜならば、金融政策はインフレ率やその他の経済事象の変化に遅れるものであり、それらが一時的かそうでないかに依存するからである。
    敷居の低い住宅ローンは、複雑怪奇な住宅ローンのタイプが原因である。
    住宅バブルに必要なのは、金融政策ではなく、規制であった。
    金融政策は諸刃の剣である。
    住宅バブルを抑制するために、金利を上げれば、不況から回復途上の経済に打撃を与えかねない。
    金融危機の教訓は、金融規制・監督が必要だったといことである。
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