筑波大の「ヨーロッパの国際関係」の授業レポート(評価:A+)になります。剽窃等はおやめいただくようお願いいたします。
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BC11241 ヨーロッパの国際関係
期末レポート
エリゼ条約の成立過程、現状と問題点
第一章 はじめに
本レポートでは、独仏協力条約(通称エリゼ条約)
1の策定過程と現状、及び問題点を論
じる。エリゼ条約は、1963 年 1 月、仏大統領シャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)と
独首相コンラート・アデナウアー(Konrad Adenauer)との間で結ばれた条約である。この
条約では、独仏首脳会談他各レベルでの会談の定期開催を規定すると共に、「両国の青少年
の交流を促進すること」等が定められている(小川 2019: 126-127)。
独仏両国は、普仏戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦と幾度も戦火を交えた、いわば
「宿敵」の関係であった。その両国が第二次世界大戦後、友好関係を築き、その関係を条約
として制度化したという点で極めて画期的な出来事であろう。
一方その画期性とは裏腹に、策定過程を見ると多分に「副産物」的な側面が強い。また後
述するように、条約自体も当初の意図とは異なる形での成立となった。このような二つの側
面を持つエリゼ条約の輪郭を、本...