評価Sをいただいた慶應通信憲法学の代替レポートです。良心・思想の自由について論じる内容となっています。
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思想・良心の自由(19条)は、信教の自由(20条)と学問の自由(23条)、表現の自由(21条)を加えた4条で構成する憲法の精神的自由のうち、最も根本的な権利にあたる(竹嶋、2017年)。本レポートでは、この思想・良心の自由について、何を保障してきた一方で、どのような問題が起きてきたか、を論じたい。レポートの構成は第一章が思想・良心の自由の意味と保障内容、第二章が思想・良心の自由の問題点と判例とする。
第一章思想・良心の自由の意味と保障内容
思想・良心の自由は、個人の世界観や人生観、主義、主張など個人の心構え、価値判断にとどまらず、心の中における考え全ての自由を保障するものである。憲法では第19条に「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と明記し、内面的精神活動の絶対的な自由を保障している。
これは、個人がいかなる国家観、世界観、人生観を持とうとも、それが内心の領域にとどまる限りは絶対的に自由であり、国家権力は、内心の思想に基づいて不利益を課したり、特定の思想を抱くことを禁止できないということを意味している(2019年、芦部)。つまり、民主主義や社会道徳を否定する思想であ...