【2020年度】合格をいただいた慶應通信経済学部のミクロ経済学のレポートです。期待効用理論について論じています。
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はじめに
リスクのある状況での意思決定のモデルである期待効用理論(期待効用仮説)は、ある行動の結果に対する効用の期待値を基準に、最大とするような行動を選択するという考え方があり、経済学で最も標準的な理論とされている(杉本、2011年)。また、期待効用理論は、リスクに対する態度を表現する手段としても用いられる。
本レポートでは、この期待効用理論について、4つの公理系を使って説明するとともに、フォン・ノイマン=モルゲンシュテルン(vNM)効用関数を使い、リスク選好を明らかにする。第一章は期待効用理論の概要と基本モデル、第二章は期待効用理論の公理系、第三章はvNM効用関数、第四章で期待効用理論におけるリスクへの態度、第五章でvNM効用理論を用いたリスク選好についてそれぞれ述べる。
第一章 期待効用理論の概要と基本モデル
期待効用理論は、人が不確実な状況下に置かれた際にどのような行動を取るかを明らかにする目的があり、基本的に数式で記述する。その際、基本となるのが、「くじ」と呼ばれる確率変数である。くじは、ある確率で利益または損失をもたらす意思決定の対象として表現、機能する(川越、202...