(2020年度)慶應経済通信で合格をいただいた人文地理学のレポートです。初回合格です。テーマはGISと空間データの発達となっています。
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地理空間情報の地理的な把握、分析を可能にする地理情報システム(以下GIS)。20世紀後半から急速に発展し、GISに付随した空間データの発達とともに、地理学の研究手法の進歩に寄与してきた。
本記事では、問いに答える形で、GISと空間データの発達が、地理的世界の探求にどのような影響をもたらしたか、具体例を交えて論じる。第一節は、GIS誕生以前の地理的世界の探求、第二節は、GISと空間データの発達が地理的世界の探求に及ぼした影響、第三節はGISを巡る課題について述べ、GISの功利を明らかにしていく。
第一節 GIS誕生以前の地理的世界の探求
GIS誕生以前の地理的世界の探求を説明する前に、GISの定義を詳細に述べたい。
河端(2019年)は、GISについて、2007年に成立した地理空間情報活用推進基本法を引き合いに、「電磁的方式により記録された地理空間情報を、電子計算機の使用によって電子地図上で処理する情報システム」と説明している。より実践的な意味合いで説明すると、GISは、情報を電子地図上に重ね、編集や検索、分析、管理するシステムとされている。
GISによって生成された情報...