国文学史Ⅱ_課題1

閲覧数658
ダウンロード数2
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員660円 | 非会員792円

    資料紹介

    2022年度までのレポート課題です。
    日本自然主義文学の特徴と、国木田独歩の『武蔵野』を例にその考察をしています。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    ①日本文学における自然主義について
     はじめ自然主義という文学思潮は西洋で生まれ、日本に持ち込まれた後西洋のそれとは別の形で発展を遂げた。元来自然主義文学とは生物学や心理学など自然科学の理論を下地として物事を客観的に描写しようというものである。しかし日本での自然主義文学はあくまでも人間の所作心情をあるがままに描写しようという方向性を持ち、作品を支える要素としての自然科学的知識は見られなかった。
     日本での自然主義文学作家には、島崎藤村(一八七二~一九四三)や田山花袋(一八七一~一九三〇)が挙げられる。彼らが少年時代を過ごしていた一八八五年、坪内逍遥の『小説神髄』が世に出た。そこには「小説の主脳は人情なり」「小説をその主意より区分すれば二種あり。曰く勧懲、曰く摸写、即ち是なり」と江戸時代までの儒教的思想を下地としたものとは全く別の文学観があった。日本的自然主義文学の背景には人間の「人情」を「摸写」するという新たな文学観が存在している。藤村の『破戒』にせよ花袋の『蒲団』にせよ苦悩を抱える人々をあるがままに描いた作品であるが、科学的理論ではなく表層的な心情描写に重きが置かれる点に「客観的」の...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。