佛教大学通信教育課程での課題合格リポートです。
課題リポートの参考にしてください。
日本文化史
設問1 親鸞の末法観について考察したところを述べなさい(3200字)
親鸞がとらえたところの「悪」とは一体何を意味しているのかについて、仏教の救済観という視点を考慮に入れること。
親鸞(1173−1262)が生きた時代というのは、末法思想の蔓延る平安時代後期から鎌倉時代にかけてであった。末法思想というのは、「釈迦が入滅してから、その教えが徐々に衰滅していくという思想」である。衰滅した結果最終的に教えしか残っておらず、行(実践)も証(悟り)もない時代が末法の時代である。日本においては1052年からその末法の時代に突入するということになっており、この考えは鎌倉時代に入ると急速に民衆に広まっていった。まさしく鬱屈した気分の蔓延した時代に親鸞は生きたということになる。
親鸞は他のどの仏教者よりも、この現実に直面している逃れられない末法という世の中で、いかにして人間を救うことができるのかということに目を向けた人間であった。西行、そして道元の歌に対する態度の比較をしてみると彼の特徴が分かりやすい。三者とも僧侶であったが、そのうち西行は末法の世以前を生きた人であり、和歌に並々ならぬ情...