序論
介護等体験は,小学校及び中学校教諭の普通免許状を取得しようとする者が,特別支援学校と社会福祉施設等の現場で,個人の尊厳や社会連帯の理念に対する理解を深め,教員としての資質の向上を図り義務教育をより一層充実させる観点から「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律(平成9年法律第90号)1」により平成10年4月から実施するよう義務づけられた。
本レポートでは,小学校教諭に求められる資質・能力や小学校教諭の免許取得希望者が介護等体験の実習を必要とする理由,介護等体験でどのようなことを学びたいのかを述べる。
本論
第1節:教員に求められる資質や能力
特別支援教育とは,「障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち,幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し,その持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するため,適切な指導及び必要な支援を行うもの2」とされている。
特別支援教育と聞くと,都道府県が設置する特別支援学校で行われる教育をイメージするが,特別支援教育は,特別支援学校だけはなく,知的...