1.序論
紀元前から現代までに続く長い教育思想の中で、教育の目的について様々な考えが論じられてきた。また、教育基本法においては、教育の目的を「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」としている。※1
本レポートでは、これまでの教育思想の中で主張されてきた内容を概括し、今日の教育における目的について自身の考えを述べる。
2.本論
教育思想の中で主張されてきた内容
(1)ウェーバーによる教育思想
ドイツの社会学者であるウェーバーは、社会的行為を①ある目的を設定し、達成するための選択や実践の行為を「目的合理的行為」、②あることに価値観を見いだして行う行為を「価値合理的行為」、③感情を満たすために行う行為を「感情的行為」、④ルーティーンなどの習慣的な行為を「伝統的行為」の4つに分類している。この分類を理念型と言い、意図的に何かしようとすれば、目的と手段が必要になるがリスクを伴うため、責任のある行動をするためには目的と結果のバランスを考えなければいけないという行為論を論じた。
(2)ハ...