法政通信・日本中世史1回目
法政大学 通信教育部
科目コード・34628
科目名・日本中世史 第1回
文字数・2000字程度
課題・鎌倉幕府の経済基盤について論じなさい
鎌倉幕府の経済基盤について論じるにあたり、まずは幕府が成立した背景から理解することが重要である。鎌倉幕府は、1185年に源頼朝によって設立された日本初の武家政権である。この政権の成立には、平安時代末期の貴族社会の衰退と地方の武士勢力の台頭が大きく関係している。この時代の政治的・経済的背景を踏まえると、鎌倉幕府の経済基盤がどのように形成され、発展したのかを理解するための鍵を握っている。
鎌倉幕府の経済基盤は、主に荘園経済に根ざしていた。荘園制度とは、平安時代から室町時代にかけて日本に存在した、特定の土地(荘園)を中央政府の直接支配から独立して私的に所有し、運営する制度である。この制度は、鎌倉時代における経済活動の中心的な役割を果たしていた。
鎌倉幕府が成立する以前から、荘園は貴族や寺社によって設立され、彼らの私有財産としての性格を持っていた。これらの荘園は、非常に効率的な生産システムを有しており、米やその他の農産物を生産することで、貴族や寺社...