法政大学通信・西洋史概説1です
法政大学 通信教育部
科目コード・34503
科目名・西洋史概説 第1回
文字数・2000字程度
課題・ドイツにおける叙任権闘争の経緯とその意義、その結果がドイツ史、ヨーロッパ史に与えた影響について述べよ
叙任権闘争が起きた背景には、複数の要因が絡み合っている。この闘争の背景を理解するためには、以下の点を考慮する必要がある。
1.**中世ヨーロッパにおける教会と国家の関係**:中世ヨーロッパにおいて、キリスト教教会は社会のあらゆる側面に影響を及ぼす強大な力を持っていた。国家の統治者たちも教会の権威を認めており、その結果、教会と国家の間には緊密な関係が形成されていた。しかし、この関係はしばしば緊張を孕むものであり、両者の間には権力をめぐる軋轢が常に存在していた。
2.**聖職任命における権力の争い**:中世初期から、聖職者の任命には世俗の君主も関与していた。この慣行は、教会高位聖職者の任命において皇帝や王が大きな影響力を持つことを意味していた。しかし、教会内部からは、このような世俗の介入に対する反対の声が高まっていた。
3.**教会改革運動**:11世紀に入ると、教会内部で改革...