東京福祉大学心理学部通信課程の「健康・医療心理学」のレポートです。A判定と「設題に沿って適切にまとめられている、内容もポイントをおさえている、カウンセリングへの応用もよくまとまっている」という所見を採点者よりいただいたものです。参考になれば幸いです。
設題:「ストレス・トランスアクショナル・モデルの健康心理カウンセリングへの応用について述べよ 。」
「ストレス・トランスアクショナル・モデルの健康心理カウンセリングへの応用について述べよ。」
ストレスという言葉は日常的に耳にするが、心理学では主に健康心理学の領域においてストレスと健康に関係に関する研究が行われ、その知見が健康心理カウンセリング等の実践に生かされている。以下では、心理学的な視点でストレスを説明するトランスアクショナル・モデルの概要を述べ、その理論の健康心理カウンセリングへの応用について考察する。ストレス・トランスアクショナル・モデルは、ストレスを単に環境の変化や環境に対する反応だけで捉えるのではなく、個人と環境との相互作用的な関係の中でストレスの過程を説明するモデルである。このモデルは、ストレスの原因となり得る外界からの刺激(ストレッサー)、ストレッサーに対する個人の解釈(認知的評価)、ストレスフルと認知された事柄への対処方法(コーピング)、ストレス反応という一連の過程でストレスを捉える。まず、ストレッサーとは心理的ストレスとなり得る外界からの刺激を指す。ストレッサーには、離婚や昇進、転校など日常生活を変化させるライフイベントや人間関係の問題、仕事の多忙などの環境から...