【聖徳大学通信心理】司法・犯罪心理学Ⅰ 第3課題 責任能力と精神鑑定 評価A

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    刑事裁判における精神鑑定と責任能力について述べなさい。

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    刑事裁判における精神鑑定と責任能力について述べなさい。

    刑法学が発展する前は、犯罪者は愚者ないし病人と、悪人に二分されていた。愚者や病人には保護や治療がなされ、悪人には刑罰が下った。この区分は一見合理的だが、犯罪者が故意的に行ったのか、現代でいう「責任能力」そのものを有していなかったのかは、すぐに判断することは難しい。刑法学の研究が進められていく中で両群間の境界は必ずしも明瞭ではないことが明らかになった。(松下2006)
    そこで、この両者の境界を示すいわば“標識”あるいは“指針”として「責任能力」という観念が導入されるようになった。責任能力とは、自らが行った犯罪行為の意味や性質、その法的な善悪を理解する「弁識能力」と、弁識能力による善悪の判断に沿って自分の行動を律し、制御する「行動制御能力」と定義される。この二つの能力の両方、あるいはどちらかが欠けている状態を「心神喪失」、著しく減退している状態を「心神耗弱」という。(越智2020)
    刑法第39条12項において、刑事事件の場合心神喪失者の行為は罪に問わない、心神耗弱者は減刑すると定められている。この責任能力の有無を判断する行為を「精神...

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