2022年 商法(手形・小切手法) 第3課題 C評価

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    1 まず、Dが16条1項による形式的資格者と認められるかが問題となる。
     これについて、まず、有効な裏書は権利移転的効力を有することから、裏書の連続する手形の所持人は、その権利者と推定される(手16条1項・77条1項1号)。法文には「看做す」とあるが、これは推定の意味と解すべきである(通説・判例最判昭36・11・24)。もっとも、本件裏書はCの偽造によるものであるが、Dは自らの善意を主張することなく権利者といえるのかが問題となる。
    手形法16条1項1文は権利推定を定めるのみで、手形上の記載から判明しない実質的な法律関係の調査まで要するとすれば、手形上の権利の流通の保護が図れないため、裏書の連続の有無は書面で形式的に判断すべきとするのが現在の通説である。
    そうだとすれば、実質的には無効な裏書(偽造・無権代理・制限行為能力者による裏書など)であっても、裏書の連続を妨げない(最判昭30・9・23)。よって、裏書の有効無効を問わず、裏書の記載という外形的事実に資格授与的効力が認められると解する。
    また、資格授与的効力の根拠は、裏書の連続という全体的外観の信頼の保護にあることに鑑みれば、その裏書...

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