聖徳大学通信教育部社会福祉学科社会福祉コース
精神保健学 第3課題
評価「A」
課題内容:
老年期の発達課題について喪失体験の観点から記述しなさい。
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老年期の発達課題について喪失体験の観点から記述しなさい。
本稿では、老年期の発達課題について喪失体験の観点から記述する。
老年期は65歳以上が対象であり、エリクソンによる発達段階では最後の段階に位置づけられる。この時期は、職業人生からの引退、身体や精神の衰え、経済的喪失、家族や友人との死別など喪失体験が多い時期でもある。
エリクソンは、この時期の発達課題と危機を「統合性(完全性)」対「絶望」の葛藤を乗り越え、「英知」を獲得することとしている。
統合性とは、これまでの人生をまとめ上げ、総合的に評価することを通して肯定的に「統合」することである。この課題が達成されると、生きる力としての「英知」が生じる。伊藤(2020)は、「英知」について「死そのものを目の前にしても、人生に対して強い関心を持ち続け、あとから来る世代の欲求にこたえて、老人の智慧を伝えることを意味し、しかもあらゆる知識の相対性を意識しつづけることである。」としている。
一方で、この課題が達成されない場合は、人生に対する後悔の念に苛まれたり、挫折感を経験したり、自分の人生に対する絶望を感じてしまうことになる。
老年...