無形民俗文化財
2011年3月11日に発生した東日本大震災と津波が発生した後、東北大学アジア研究センターでは、宮崎県の依頼を受けて無形民俗文化財の被災状況の調査を行った。その調査結果は、2011年と2012年度報告書として論文にまとめられ一般公開された。
本書の目的は、無形民俗文化財となる民俗芸能、祭礼、年中行事や生業などの復興する前と後の過程を明らかにするためである。そして、宮崎県沿岸部の津波の被災地であるおよそ23にも及ぶ地域を対象として一人一つの地区を担当してもらい、地域の調査を実施した。その他に、調査する期間は被災した年から含めて2年間という限定した期間において調査を実行した。大規模な調査は2年間であるが、個人もしくは別のプロジェクトによって引き続き調査は実行されていった。また、調査する人を限定するために、参加する人々は基本的に大学の関係者や文化人類学、宗教学、民俗学などの専門分野などの研究者たちが集められた。海外ではフィールドワークが専門であったり、日本では調査経験がない人たちも含まれており、専門分野の成果を日本に応用させるための組み合わせになっていた。さらに、行政の委託事...