日本には数々の不可解で奇妙な話があり、それを解明した人物が井上円了である。井上円了は日本の教育発展に貢献した人物でもあり、一方で日本の社会で広く知られるようになった迷信や俗信などの異常現象を妖怪と呼び、合理的に解明したことから妖怪博士とも言われるようになった。
昔から人々の間に知られている「こっくりさん」という一種の交霊術がある。漢字では「狐狗狸」と表記する。狐狗狸をするのは占いとして狸や狐などの霊を呼び出してお告げを聞くためである。動物でも霊を呼び出すため、遊びでやってしまうと呪われてしまうといった異常をきたしてしまうと言われ、会談話として噂になっている。だが、およそ130年前に井上円了によって狐狗狸の謎が解き明かされるのである。
円了はお寺の息子として生まれたため小さい頃から妖怪の話を聞いており、円了本人も妖怪のような足音や障子の襖から誰かから覗かれているような感覚に陥ったことがあった。また、妖怪の話で有名な新潟で生まれ育ったため円了が妖怪の話に興味があったため、妖怪研究を行った要因にもなっている。円了は妖怪を研究する前に論理学、心理学、倫理学などの学問を学び、心理学を学んでいく度...