有吉佐和子『恍惚の人』
『恍惚の人』は著者である有吉佐和子が描いた作品である。特に人の誕生と死について描かれており、「老い」について注目して読んでみると老いとは何かという様々な方面から老いについて考えさせられる。そして、近年社会で問題になっている少子高齢化による介護の問題についても関連付けて論じる。そして文学作品の中において早く介護をテーマとして取り扱われたもので認知症に患ってしまった舅を介護しなければならない主婦の様子を描いた内容になっている。
『恍惚の人』が出版された当時は年間売上が一位となるまでの人気であり、映画化や舞台化にもされたことで世間の注目を浴びたのである。また、介護と認知症などを社会問題として取り上げられ、介護する対象が認知症になってしまった場合は家族以外の外部の人間には口外してはいけないような風潮になっており、家庭内における問題として扱われているたが『恍惚の人』が出版されたことで家庭内の問題ではなく社会問題として取り上げられたため人々の間に認知されるようになった。
「認知症」という言葉が人々に知られるようになったが、『恍惚の人』に登場する舅のような認知症にはなりたくな...