佛教大学通信教育課程での【東洋史概論】合格レポートです。
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第一没題
(b)中国史における王朝の交替のなかから一つ選択して、それが起こった政治的・経済的・
社会的背景について述べよ。
はじめに
本レポートでは隋と唐の王朝の交替が起きた原因、両王朝の相違について考え、王朝交替が起きた時の政治的・社会的・経済的背景について考察し、記述していく。
五八一年北周の外戚であった楊堅は隋朝を開いたことで隋の文帝とも呼ばれていた。その後五八九年には南朝の陳を降ろして天下を統一した。中国は約四〇〇年続いた分裂の時代に終止符を打った。楊堅は律令制による国政の基本を整え、君主権を強化し、中央集権体制を確立した。後の唐の時代に継承された三省六部などの中央官制や諸制度はほとんど隋の時代に確立されたものである。文帝の治世のなかで、重要なのは地方制度の改革である。後漢末以来ほぼ州・群・県の三県制がとられていたが、文帝は群を廃止し、州・県の二級制をとった。南北朝時代には軍府官系の僚属が実権を持つようになり、郷官は実権を失い有名無実化していた。文帝はこれを受けて郷官を廃止した。郷官廃止に伴い、それまで九品官人法のなかで重要な位置を占めていた中正官を廃止した。これに伴い...