八洲学園大学図書館概論科目修得試験【2024年春期】
戦後日本における公共図書館の歴史を踏まえた近年の公共図書館が抱える課題について
1.はじめに
戦後の中小レポートは公共図書館に大きな影響を与え、現在多くの図書館サービスが実施できるようになった。しかし近年少子高齢化や国際化、消費社会化が進行し社会情勢が大きく変わってきている。本レポートではこの経緯を踏まえて、近年の公共図書館が抱える問題について論じていく。
2.戦後中小レポートが及ぼした影響
戦後の閲覧中心思想が根強い図書館に衝撃を与えた「中小都市における公共図書館の運営(以下中小レポート)」は閲覧重視から貸出重視への変更や館内奉仕から館外奉仕(貸出文庫や分館など)への変更など、その斬新さから住民にすぐに浸透しなかった。1970年日本図書館協会は「市民の図書館」を刊行し、図書館に携わる人をはじめ、図書館を利用する多くの市民に読まれた。これは大きく分けて3つのことを提案している。「市民が求める図書を自由に気軽に貸出すること」「児童の読書要求にこたえ、徹底した児童サービスをすること」「あらゆる人々に図書の貸出、図書館を市民の身近...