丸写しはしないでください。
②WHOは健康について「肉体的、精神的および社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない」としている。ここでは心理的健康を「心理学的に問題がない状態」と仮定する。例えばある人が職場で、許容量を超える仕事を任せられたとする。適切な方法で相談して自分がこなせる仕事量に減らせた場合、心理学的に問題は起きない。一方で「上司に仕事を減らしてもらうと自分の評価が落ちるかもしれない」「同僚に分担してもらうのは相手の仕事を増やしてしまいそうでできない」などと考えて個人で抱え込み続けた場合、心理的問題が生じる可能性がある。本稿は、アサーティブ行動は健康なパーソナリティが顕在化したものであるということを、理論的根拠を交えて説明する。
アサーティブ(assertive)には日本語で「断言的な」などの意味があるが、心理学的には「自分も相手も大切にする自己表現」を指す。平木(2012)は、ノンアサーティブ、アグレッシブ、アサーティブの3つの自己主張タイプがあるとした。ノンアサーティブは自分の意見を言わない・言っても伝わりにくい非主張的自己表現である。アグレッシブは自分の意見をはっき...