以下の研究テーマ①、②のどちらかを選び、因果関係を明らかにする心理学の研究計画を立てなさい。
①「暴力的な場面にたくさん触れると、その人の攻撃性は高まるのか」
②「同じ内容でも伝え方が異なると、聞き手が受ける印象も異なるのか」
研究計画書は以下の構成とすること。記述例はテキスト2を参照すること。
・目的 ・方法 ─参加者 ─要因計画 ─手続き ・結果の予測 ・考察
〈注意点〉研究計画は、以下の条件を必ず満たすこと。満たされていない場合、減点または再提出となる。
・因果関係を明らかにできる計画になっている(相関関係は因果関係ではない)。
・仮説および考察に実験の内容や結果から、どのような心理学的解釈が可能なのかが含まれている。
・従属変数と対応した適切な分析方法を選択している。
・剰余変数の統制のために工夫した点が含まれている。
・実験室での個別実験が想定されている。
・教科書で例として使われている研究内容とは異なる、オリジナルの研究仮説を立てている。
本稿は、「同じ内容でも伝え方が異なると、聞き手が受ける印象も異なるのか」をテーマとし、研究計画を記述していく。古市・柴田(2013)は、「ほめ」が生徒の自尊感情に与える影響について述べ、人前でほめられることを苦手とする子どもについても言及している。しかし、先行研究はほめられた状況と自尊感情との因果関係を明らかにしていない。
本研究は、伝える言語情報が同じでも、伝える環境が人前か1対1かで異なる場合に、聞き手が受ける印象は異なると推測し、1対1でほめられるよりも、人前でほめられるほうが、自尊感情が高まるという仮説を検証することを目的とする。
次に方法について述べる。参加者は大学生40名(男女各20名)と、実験協力者1名とした。実験協力者と参加者は知り合いではないことを条件として募集を行う。
本実験は、ほめられ体験時の環境要因(1対1群、人前群)を独立変数とする1要因参加者間計画である。従属変数を自尊感情とし、ローゼンバーグの自尊感情尺度によって測定した点数の合計を尺度点数とする。
本実験は被験者間計画で行う。本実験は実験前の自尊感情を対等化し、各水準に無作為配分を行う。
手続きについて述...