養護教諭の職務は教育基本法において「児童の養護をつかさどる」とされている。教区者として、養護教諭の専門的知識をベースに置きながら、多様な健康課題に対応できる実践的指導力など、養護教諭に必要な能力を総合的に備えて、目の前の子どもたちに対応する能力が備わっているという専門性をいかした活動を行う必要がある。本レポートでは養護教諭の「養護をつかさどる」様々な活動に共通して考えられる活動過程について6段階に分けて述べ、養護教諭の特性を生かした活動のあり方を述べていく。
第1段階は発育発達期にあり、教育を受けている子どもの個別的・集団的健康実態を把握し、個別的支援を必要とする子どもや全体に共通する集団的健康問題を発見することである。養護教諭がとらえる健康問題については、多面的なとらえ方が必要である。この段階では、検証的視点も含めた実態の把握・問題の発見のために、どんな方法を用いたらよいか、自校ではどんな方法が利用可能か、また、健康診断ではそのような実態をどの程度把握することが可能なのかを考える。健康問題把握の過程は、子どもが自己のからだや健康に関心を向け、課題に気づき、健康づくりへの意欲を高めるた...