佛大通信「浄土学概論」「基礎浄土学」「浄土学」第2設題のB評価レポートです。
設題は「諸経論に説かれる往生行を展開を考えながら述べよ。」です。
採点者の所見は「おおむねよいといえます。」でした。
学習を進める上で参考にしてください。
第2設題 諸経論に説かれる往生行を展開を考えながら述べよ。
法然は『選択集』において、浄土宗の教相判釈とし拠りどころとする根本経論を『浄土三部経』と天親の『往生論』として、これを「正依の経論」と名付けた。また、他に「傍依の経論」とした経論や『般舟三昧経』など、浄土往生のための行が記された経論もある。けれど、それらに記された往生行には様々なものがあり、一つに統一されているわけではない。また、先徳によって、それらの往生行に対する理解も異なっている。
天親は、浄土往生の行として、「五念門」を説いた。後に中国において曇鸞が『往生論註』でこの「五念門」について解説をしている。
「五念門」とは、阿弥陀像を礼拝する「礼拝門」、阿弥陀仏の名を讃える「讚歎門」、浄土に生まれたいと一心に願う「作願門」、浄土や仏や菩薩の姿を観念する「観察門」、自分の功徳を他の者に施し、共に成仏しようと願う「廻向門」の五つの修行である。
中国、韓国、日本の浄土教家において広く用いられた往生行は念仏である。現在では、一般に念仏というと称名を指すが、本来は称名ではなく観念である。称名は「五念門」のうち「讚歎門」、観念は「観察門」...