Ⅰ.表現の自由を規制する法令の違憲審査において特別の取扱いがなされるべきだとされているのはいかなる理由によるか。
表現の自由についは、民主の過程において非常に重要な権利である。なぜならば、表現の自由が規制されることとなると、民主主義の実現に必要不可欠な討議、そして討議の後の多数決という意思形成過程が実現できないこととなる。つまりは、表現の自由に対して規制するということは、民主主義の放棄に他ならない。
また、表現の自由を規制すると事後に回復することが不可能な損害が生じることとなる。つまり、厳格な基準により規制の妥当性を判断することが必要となる。
これに対して経済的自由に対する規制についは、政策的な観点からの規制も許されるものと考える。政策に関する規制については、事後的に救済することも可能であるし、そのときの政府がどのような政策を実行するのかについては、まさに民主主義の議論が妥当することだからである。(二重の基準)
とはいっても、政策的な規制であっても、警察目的から行われる。つまり、放置しておくと害悪が発生するような場合と、単に経済的政策から行われる規制については、...