書評「ハマータウンの野郎ども」(イギリスの反学校文化)

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     「ハマータウンの野郎ども」の中では、イギリスにおける反学校文化が取り上げられている。それは社会の中で暗黙的に了解される階級制度などフォーマルな枠組みに対して抵抗する抵抗文化である。イギリスの教育制度の中で、労働者階級に属する親たちの子どもは、再び自分たちも労働者階級へと進んで行く。それは、教育制度が階級を凝り固めているために上昇を許されないであるとか、彼らの能力そのものが低いという理由ではない。彼らは自ら進んでその道を選び取るようになっていくのである。
    調査対象となったハマータウンと称される町に住む調査対象の少年たちは、そうした道を選び取っていく過程で、反学校的な文化を形成していた。学校の規則や法律に従うことなく、むしろそれらを進んで破っていくことに意味を見出す。そうしたものを押し付ける教師や、従う生徒たちには軽蔑の視線を向ける。彼らは進学のために勉強する生徒たちを、学生時代の思い出や経験がなく、哀れな存在であると切り捨てる。そんな人生よりも、自分たちのように喧嘩に明け暮れたり、パブで酒を飲んだりする経験を積んだ方が思い出に残るし、良いというのだ。
    これを読んだ時、一見ルサンチマン的...

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