中央大学 通信教育 2012年度 刑法2(刑法各論) 第1課題 合格レポート

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    刑法傷害暴行問題判例物理障害各論傷害罪

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    中央大学刑法

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    1.Aに対する行為の罪責
     Xの騒音行為により、Aは慢性頭痛症、睡眠障害、耳鳴り症を患うに至ったため、Aに対する傷害罪(204条)の成立が問題となる。
     傷害罪の構成要件は、人の身体を傷害することであるため、まず、傷害があったといえるか問題となる。
    (1)傷害の意義
     傷害の意義については、①人の生理的機能の傷害を意味する説、②人の身体の完全性を害することとする説、③人の生理的機能を害すること並びに身体の外形に重要な変更を加えることとする説がある。毛髪を切り取る等単なる身体の完全性の侵害は、①の説では傷害罪とならないが、②・③は傷害罪となることとなる。しかし、このような場合は、傷害罪より軽微な暴行罪として処理すれば足りるので、①の説が妥当であると解する。傷害の保護法益は人の身体の安全であるし、このように解することで「傷害」の用語にも合致するからである。
    判例・通説も、①の立場をとり、傷害罪は、他人の身体の生理的機能を毀損するものである以上、その手段が何であるかを問わないとし、暴行によらない傷害罪の成立を認めている(最判昭和27年6月6日)。本事例では、Xの行為により、Aは上記症状を患っ...

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