中央大学通信教育課程 2012年 刑法1(総論) 第1課題(B評価)

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    1.意義

     被害者の承諾とは、法益の主体たる被害者が、自らの法益に対する侵害に同意することをいう。被害者の承諾がある行為は、原則として違法性が阻却されるが、これには構成要件に該当しない場合と異なる構成要件に該当する場合とに分けられる。また承諾の有無がそもそも問題にならない場合がある。

    2.承諾の効果

     被害者の承諾があったとき、現れる効果を検討する。

    (1)構成要件上承諾の有無が問題にならない

     13歳未満の者への強制わいせつ・強姦などは、たとえ被害者の承諾があっても、13歳未満の者にはわいせつとか姦淫の意味が理解できないため、そのような者の承諾には効果がないものとされる。

    (2)異なる構成要件に該当する場合

     殺人において、被害者が承諾を与えていた場合は、殺人罪とはならず、承諾殺人罪が成立する。

    (3)構成要件該当性が存在しない場合

     被害者の意志と反抗の抑圧が構成要件的行為として要求される強制わいせつや強姦などは、被害者の承諾があれば当然に構成要件該当性を失う。

    3.成立要件

     被害者の処分可能な個人的法益についての承諾があることが成立要件であり、被害者の承諾...

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