江戸時代、日本は幕藩体制であり一種の連邦国家といえるものであった。江戸幕府は全国の大名を取りまとめる盟主のような存在で、各大名はそれぞれの領地において一定の自治権が認められていた。そのため、地域ごとに特徴のある街づくりが行われた。だが、江戸幕府が倒れて幕藩体制が廃止され、明治政府に変わると、他国との国力差を埋めるべく中央集権的な政治へと切り替わった。現在の日本国憲法には、憲法8章に地方自治という項目があるように、憲法上で地方自治が保障されている。では、なぜ今地方分権化が叫ばれているのか。地方分権の現状について説明し、現代社会で求められている分権化と自治体政策について論じていく。
日本では明治維新以来、中央集権型行政システムによって経済成長してきた。日本は資源が少ない、そのため限られた資源を中央に集中し、これを配分して効率良く活用する事が必要だった。中央集権型行政システムは、鎖国により西欧列強に大きく国力差をつけられた我が国が、急速な近代化と経済発展をし、短期間の内に先進国の仲間入りをすることに大きく貢献してきたと言える。では、現在の日本はどうだろうか。
地方分権は現行憲法で保障されて...