第4課題 第1設題
心理臨床と死の問題は、気付かれないだけで実は普通の心理臨床の場でも密接にかかわっている問題であるといわれる。樋口(山中康弘、馬場禮子2001)によれば、表面的な問題がたとえ日常的な簡単なケースであっても、その裏に死の問題が抱えられていて、いつ臨床過程で死に転回するかわからない事例は多いと述べている。とは言え、この死の問題は病院臨床において、がん病棟や終末期医療などの領域で特に多く直面する問題である。
また、山中(山中康弘、馬場禮子2001)は30年間の臨床活動のなかで治療中に自死を選ばれた方が9人おり、そのなかには必然としかいいようのないケースだけでなく、自身の未熟さによ...