設題:「小説神髄」の」「詩」を読み、詩とはどのようなものなのかについてまとめよ。
テキスト:小説神髄(岩波文庫31-004-1)、岩波文庫、坂井健
「文学概論」の」「詩」を読み、詩とはどのようなものなのかについてまとめよ。
詩の歴史はかなり古く、長い歴史を有している。したがって、詩に対する定義や説明は、昔からされているのであるが、しかし歴史とともに様々な形態の詩が生まれたため、詩の定義も考え直さなければならなくなった。それらをどのように定義すればいいかについて、考えていきたい。
まず、詩から不純なものをぬき出すことによって、限定していこう。第一に、韻文と詩を区別する。韻文とは、外面的に韻律をととのえたものである。しかし韻律は外形的な装飾にすぎず、特に感情生命をもつものではなく、韻律は思想内容とは何の関係もない。逆にこういう韻律がなくてもりっぱな詩となっているものがある。そういった詩は、外面的なリズムはないが、詩としての形式をなしている。高村光太郎の「冬が来る」という詩の場合、韻文ではなく散文であるが、作者のやむにやまれぬ感情が、内面的なリズムをなして流れ出て、そしてその内面的リズムが作者の気分を暗示し、生命の象徴となっている。つまり、内部の声というべき作者の主観が、強く充実して響き渡っている。逆にいえば、ことばが深い内面情緒の象徴...