記憶の測定

閲覧数3,170
ダウンロード数10
履歴確認

    • ページ数 : 8ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    はじめに
     記憶とは、人間が生活する上で必要不可欠なものである。そして、このあまりにも当たり前の存在に関する問題は、ギリシャ哲学から続く大きなテーマの1つである。心理学の他の領域と同じように、記憶の実験に真剣に取り組まれるようになったのは最近のことで、エビングハウス(H.Ebbinghaus)が1885年に「記憶について」(Uber das Gedachtnis)が刊行されて以来である。人間は意味のあるものだと記憶しやすく、無意味なものだと困難である。エビングハウスは、心理学の実験で使用される材料は、意味を除去したものでなければならないと提唱し、実験では無意味綴りが使用されることが重要であるとした。
     彼以後も研究が進められ、学習法や再学習法(節約法)、補助法や適中法などの形式的な方法が考え出された。この後もフロイトなどによって研究は進化していった。
     今回の実験では、代表的で基本的な実験方法の中から、系列学習(serial learning)を取り上げた。系列学習とは、芝居のセリフや物語の暗唱の場合のように、厳格に順序が決められている学習材料を、その提示順序通りに学習することである。学習された事柄は何らかの形で記憶に残り、後でそれを利用することが出来る。
     では、学習した事柄がどの程度記憶されているかを示すには、どのような測定方法を用いたら良いだろうか。
     ここでは、再学習法(節約法)とよばれる方法を用いて記憶を測定した。再学習法とは、学習材料を学習した後、時間をおいて再び同じ学習材料を学習する方法である。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    はじめに
     記憶とは、人間が生活する上で必要不可欠なものである。そして、このあまりにも当たり前の存在に関する問題は、ギリシャ哲学から続く大きなテーマの1つである。心理学の他の領域と同じように、記憶の実験に真剣に取り組まれるようになったのは最近のことで、エビングハウス(H.Ebbinghaus)が1885年に「記憶について」(Uber das Gedachtnis)が刊行されて以来である。人間は意味のあるものだと記憶しやすく、無意味なものだと困難である。エビングハウスは、心理学の実験で使用される材料は、意味を除去したものでなければならないと提唱し、実験では無意味綴りが使用されることが重要であるとした。
     彼以後も研究が進められ、学習法や再学習法(節約法)、補助法や適中法などの形式的な方法が考え出された。この後もフロイトなどによって研究は進化していった。
     今回の実験では、代表的で基本的な実験方法の中から、系列学習(serial learning)を取り上げた。系列学習とは、芝居のセリフや物語の暗唱の場合のように、厳格に順序が決められている学習材料を、その提示順序通りに学習することである。...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。