玉川_08915数学科指導法Ⅰ_第1

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    科目コード 08915「数学科指導法Ⅰ」第1分冊
    数学教育史と学習指導要領

    (1)数学教育の現代化
     数学教育の現代化は1950年代アメリカで始まった。その発端となったのは、ソビエトとの国際緊張の中で科学技術的に優位に立つため、理数科目の優秀な人材を求めた産業界・経済界からの要請である。この要請に従い数学教育の内容が、大学、高校、中学、小学と上から下へ向かって、その年次に必要な学力を身につけるための内容へ改編・構築されていったのである。

     このような上から順に教育内容を設定していくことで、下の年齢に矛盾が生じることも議論には上がっていたが、1957年ソビエトが人工衛星を打ち上げ、アメリカが遅れを取ったことも、教育論よりは科学技術の発展を一層重んじ、その矛盾には目をつむる結果となった。

     このアメリカでの数学教育の現代化は、数年後にヨーロッパへ波及する。そしてヨーロッパでは教育者ではなく、著名な数学者の意見が重要視されて、数学教育が改編される。そこでは2000年続いたユークリッド幾何学から脱却し、現代的な視点から新たな教育内容が再構成されて...

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