「キャリア理論を勉強して印象に残った理論について」
キャリア理論 特別講習A
「キャリア理論を勉強して印象に残った理論について」
キャリア理論のなかでは、ホランドの個人-環境適合理論が印象に残った。
キャリア理論は大きく、マッチング理論と発達理論の2つに分類される。個人-環境適合理論は、前者に分類される。前者としては、パーソンズの特性・因子理論が先駆けであり、個人-環境適合理論はそれを継承したものである。
マッチング理論の考え方としては、各個人には心理的な特性において差異があり、それに沿った適職が存在するというものである。
職業のマッチングの流れとしては、まずそれぞれの仕事に求められる要件が分析され整理される。また、個人の興味・性格などが、テストや面接を通して把握される。カウンセラーがこれらを合わせて分析し、相談者に対してアドバイス・援助を行なうこととなる。
ホランドの個人-環境適合理論においては、個人の興味・性格などをパーソナリティとして6つの領域に分けて、個人の特性が捉えられる。仕事に求められる要件に関しても、同様に6つの領域の観点によって分類される。両者が合致する程度が高ければ、適職である可能性が高いと考えられる。パーソンズの特性・因子理論と比較すると、より詳細で実際的な感がある。また、人は成長し変化していく存在であるという発達理論の視点が少々含まれていると言える。
VPI職業興味検査は、個人-環境適合理論に則った測定のツールである。平易な設問を回答し、短時間でテストを実施することができる。
今回の講習において、私はVPIを受け、興味深く感じた。テスト実施前の主観的な評価(予測)と、客観的指標によるテスト結果に異なる点があったからである。結果は概ね予測通りであり、テストの妥当性が感じられた。他方、異なった点については、ある程度的確なものであり、自分ではあまり気づいていないものであった。
VIPには、気づいてないことを気づかせてくれる可能性があると思われる。職業適性は、本来的に理解が難しいものであるため、情報を得ることには意義がある。
多くの人々は、現在就いている職業に対する適性はどの程度あるのか、その仕事に向いているのか、ということをしばしば考えると思われる。彼らに対して、個人-環境適合理論の知見を援用して、VIPを使用し、キャリア形成に関わる援助を行なっていくことができたら、おもしろいと考える。これは、自分にとって、キャリアコンサルタントになるための第一歩の訓練になるだろう。
以上