福祉行財政と福祉計画

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    資料紹介

    福祉行財政と福祉計画
    「福祉事務所の機能について概要をまとめなさい」

    資料の原本内容

    福祉行財政と福祉計画
    ②「福祉事務所の機能について概要をまとめなさい」
     地方自治体の組織には、大きく都道府県と市町村があり、それぞれにおいてその対象とする事務の範囲が異なっている。地方自治法では、都道府県は市町村を包括する広域的地方公共団体とされ、市町村間の連絡調整、広域的事務を担うこととされている。都道府県が上級、市町村が下級という関係はなく分担がされている。
     福祉行政の役割分担については、1990年の社会福祉関係八法の改正の際に整理され、専門性・広域性・効率性に配慮すべきものを除いて、児童・高齢者・身体障害者などの具体的なサービスに関する福祉行政は、住民の福祉需要を最も把握できる市町村において実施するという考え方が明確にされた。
     福祉事務所とは、社会福祉法の第三章「福祉に関する事務所」の項目で規定されている「福祉に関する事務所」のことを言い、地域住民の福祉をつかさどる第一線の社会福祉行政機関である。福祉事務所という名称は、法的に定めのある固有の名称ではなく便宜的に付けられたものである。地域によっては福祉事務所とは異なる名称を付けている場合があり、大阪市では保健福祉センターという名称が使用されている。また、福祉事務所を設置せず役所内の福祉関係部署で業務をおこなっていたり、保健所と合体して保健福祉事務所となっている地域もある。
     都道府県及び市(特別区を含む)は福祉事務所の設置が義務付けられており、町村は任意で設定できることとなっている。このことは、社会福祉法第14条第1項から4項で規定されている。
     市町村の福祉事務所は、福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法)に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を司る。なお、六法のうち三法に関する事務が都道府県から市町村に委譲されたことにより、都道府県福祉事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法を所管するとされている。これについては、第14条第5項、6項で規定されている。
     市福祉事務所は、2007年4月において全国で989か所存在する。郡部の都道府県福祉事務所は228か所存在し、町村の福祉事務所20か所存在する。これら福祉事務所総数は、1237か所となる。
     市福祉事務所が行なっているサービスは以下のようなものである。これらは福祉六法に沿ったものである。
    ①生活保護の実施
    ②助産施設、母子生活支援施設および保育所への入所事務
    ③母子家庭等の相談、調査、指導
    ④特別養護老人ホームへの入所事務
    ⑤身体障害者構成援護施設への入所事務
    ⑥知的障害者援護施設への入所事務
     郡部の都道府県福祉事務所が行なうサービスは、上記の①~③が中心であり、④~⑥は先の述べたとおり行なわれない。それらに代わり、(4)老人福祉サービスに関する広域調整、(5)身体障害者福祉サービスに関する広域調整、(6)知的障害者福祉サービスに関する広域調整が行なわれる。
     福祉事務所職員総数は、2004年において、6万6086人である。福祉事務所の配置職員は、所長、老人福祉の業務に従事する社会福祉主事、身体障害者福祉司、知的障害者福祉司などである。職種としては、ケースワーカー、医療ソーシャルワーカー、保健師などの専門職員である。職員は、担当地域内の住民の相談に応じて、学校や病院、福祉施設などの関係機関、民生委員・児童委員などと連携をとって問題を解決に導く役割も果たしている。

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