1.はじめに
山内清男(1902〜1970)はそれまでの空想や常識論的な先史学に疑問を持ち、客観的科学性を重んじた遺跡、遺物の研究方法をもって日本の先史考古学の体系を構築した。
本稿ではその山内清男の業績をまとめ、また縄文時代における縄文土器研究の重要性についてもまとめていきたい。
2.山内清男の業績
縄文土器研究の重要性~山内清男の業績について~
目次
1.はじめに
2.山内清男の業績
3.縄文土器研究の重要性
4.おわりに
1.はじめに
山内清男(1902~1970)はそれまでの空想や常識論的な先史学に疑問を持ち、客観的科学性を重んじた遺跡、遺物の研究方法をもって日本の先史考古学の体系を構築した。
本稿ではその山内清男の業績をまとめ、また縄文時代における縄文土器研究の重要性についてもまとめていきたい。
2.山内清男の業績
第一の業績は、縄文土器の原体と施文法を発見したことである。山内は日本の縄文土器の縄文文様は植物質の繊維に撚りをかけて縄にした原体を土器の表面に転がしながら、押しつけた押圧回転施文であることを明らかにした。そしてさらに進んで土器面に見られる多様な縄文の種類を集成、分類し、数多くの縄文原体を明らかにした。
第二の業績は、縄文土器の編年の基礎を築いたことである。山内は甲野勇・八幡一郎とともに関東や東北地方の貝塚で層位的発掘を推し進め、その中心となった山内は北海道から九州にいたる全国の土器型式を時間別、地域別に配列し、最初の編年表を提示した。そして縄文時代を早期、前...